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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

「お怪我はありませんか、隊長!」
「大丈夫だ、ナルシャ、ありがとう」
隊長の無事にナルシャは心底安堵する。
「しかし、なんだぁコイツ? ……ただの鞭じゃなかったのか? 生き……物?」
「触るな、カーラ……」
「ああ、おっと……」
言われてカーラは床でのたうつ断片に伸ばしていた手をひっこめる。
カテリナはナルシャに助け起こされながら言を継いだ。
「……こいつの正体は後で伯爵から聞き出せばいい」
「そうですね。他にも色々と聞くことはありますしね」
ナルシャは伯爵に歩み寄ると、その腕を捻りあげ立ち上がらせた。
「カンターロ=ド=ギュステーヌ。あなたの負けよ」
「ぐううう……」
伯爵はついに万策尽き果てたようだった。
おとなしく捕縛され外で待つ銃士隊の部下たちに引き渡された。
ノエルによって解放介護された女も無事に医療所に送り届けられた。
こうして王都婦女失踪事件は解決した。
翌日、美貌の四銃士の活躍は知れ渡り都中の評判となり、銃士隊の名声をますます高めることになった。

