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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

 そんな気配を嫌悪してナルシャが背を向ければ今度は室内であるためコートに覆われることなくふっくらと盛り上がりる均整のとれたナルシャの尻に視線を吸わせる。

 これではただこの男を楽しませているだけだ。逆にナルシャのほうがこの色情狂の眼福となって責め立てられているようなものだ。捕まっているという立場が逆にこのタチの悪い開き直りを許しているのだと思うとますます腹正しいが、強いてそのことは考えないようにする。

(それも貴族の特権待遇解除が申し渡されるまでのこと)

 そう思って平常心を保つ。――と、

「……教えてやろうではないか」

 不意にカンターロが口を開いた。

 その言葉に再び向き直ったナルでシャの下半身から一瞬も目を外すことなく視線を注いだままだが、それはあきらかにナルシャに対してかけられた言葉だった。

「そこだ……」

「そこ? 『そこ』とはどこのこと? 『そこ』がどうしたというの?」

「そこが……湿っておる」

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