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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

「言うに事欠いてこのっ……クズめ」

 このような下らない手管で激情させられたことに一抹の屈辱を感じながら、怒りを収めるためにナルシャは悪態をついた。

「ヒィーヒィーフヒッ! 我輩は本当のことを言ったまで……」

「……ッ!」

 痛い所を突かれてナルシャは思わずたじろぐ。

 そう、なのだ。

 ナルシャは今でははっきりと自身の秘奥に溢れるものを感じ取っていた。それは増々はっきりとした冷たさとなって零れだしそうだった。

 そんなナルシャの内心を見通してかカンターロが一層下卑た笑いを浮かべる。

「イイーッヒッヒ! 我輩に犯されたいとでも思ったのかね? ヒヒッヒフヒヒヒ、であるならばァァァ! 我輩は貴女のご要望にお応えしてもいっこうに……」

 カンターロはそこで言葉を中断し、ナルシャとカンターロの他には誰もいない室内を見回す仕草をしてみせた。その暗示するところにナルシャが気づくだけの時間をとって、続ける。

「……かまいませんぞ? フヒヒッ」

 グシャアッ!

 瞬間、その顔面をナルシャの軍靴が踏みつけた。

「殺すぞ貴様……ッ!」

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