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タンバリンでできたオーロラ
第22章 光の戦士サーラと闇の魔掌
「さすがですね……少しは手古摺らせるかと思っていたのですが、予想が外れました。いや、お見事」
不意に、正面のピラミッドを登る階段の上から男の声がした。
慇懃無礼な口調に隠しきれない邪悪さがにじみ出ている。
「ラムド……」
サーラは声の主の名を呟いた。
闇の王を自称する悪の魔法使い。ついに決戦の時が来たのだ。
怒りに燃えるサーラの眼光が宿敵の姿を探し求める。
「どこだ! 出て来なさい! 臆病者め!」
「我は漆黒の主……見えぬからこそ闇。姿を現さぬからと言って臆病とは的外れも甚だしい……だが、よかろう。こうしてはるばる我が居城までおいでいただいたのだ、拝謁の栄誉を与えてやろうではないか」