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タンバリンでできたオーロラ
第27章 ヌーディスト課長
ヌーディスト……今風に言うとヌーディって奴だが……彼ら、彼女たちは 今日び、それほど珍しい存在ではない。
特にここ4、5年では驚くほど増えた。
もうおっさんと呼ばれても抵抗する気の失せつつある俺ぐらいの歳――もうじき30も折り返し地点だ――だと、今じゃ当たり前のように女子高生……俺らが現役の頃に流行っていた昔風の言い方だとJK――のヌーディがいるって聞くと「うへぇっ」となってしまう。
でも、当たり前っちゃ当たり前か。
最初、奴らは社会人世代に出現した。
「私の体の一部を猥褻と決めつけられるいわれはない!」
この言葉を錦の旗にして、ヌーディは社会に颯爽と出現した。
まあ、当時の風潮からいって同性愛などの性的なマイノリティの権利が認められ始めたり、服装倒錯――男が女の格好したり、女が男の格好したりというアレ――についても随分おおらかな受け止められ方がされるようになってきていたというのもあるだろう。
その隙を上手く突いて、彼ら、彼女らは登場したんだ。
カミングアウト。
服を脱ごう、街へ出よう。