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タンバリンでできたオーロラ
第27章 ヌーディスト課長
で、街に出て堂々と振る舞った。
男よりもまず、女からだった。
捕まった奴らも勿論いる。
てか、最初は当然ひっとらえられましたよ、そりゃ。
猥褻物陳列罪なめんなって。
しかし、それでもめげずに彼らは続けた。
続々とつづく連中がいた。
結局思い知らされたのは、服って奴は着させておくことよりも、脱ぎ捨てることのほうが簡単ってことなんだ。
だって、それがもともとの人間の姿なんだからな。
そして訴訟。司法を巻き込んだ猥褻物論争。
一部の芸術家や文化人が便乗してカミングアウト。
オリンピックに裸で出場する選手――そう、それはこの国だけじゃなく、全世界規模で同時に起こった――さらにはTVタレントや、アイドルグループ(ホントはヌーディじゃないのにプロデューサーに強要されたと物議をかもしたりもしたが)、そんな風にしてメディアへの露出が増えて来ると、一般にもヌーディで何が悪いという風潮が浸透し始める。
やがて、ヌーディ政治家が当選し(それはマドンナ候補で、この事態を重く見た各政党は、以来一定数のヌーディ議員を候補者として準備するようになった)、政治力を持つに至ると公職者のカミングアウトも相次ぐ。
イケメン教師が、婦人警官が、役場ではマスクだけつけたヌーディが窓口に立つなんてことも日常の風景となった。
ヌーディ婚なんてのも流行った。
新郎新婦はおろか、牧師様からお祝いの参列者まで全員全裸。
ご両親や親族の姿はなかったそうだが――。
そして、そんなヌーディの両親に育てられた子供が、すっぽんぽんで学校に通い始めるのにそれほど時間はかからなかった。
挙句の果てにJKヌーディなんてのが今ではクラスに1人ぐらいは普通にいるらしい。多いと三人ぐらいだとか。スゲーな、おい。
あ、JKってゆったけど男子のヌーディもいるからね、当然。