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タンバリンでできたオーロラ
第27章 ヌーディスト課長
しかし、残念ながら俺のヒップをマイハンドでペーパーシュッシュすることは叶わなかった。
再見積りの金額を聞いた専務はカンカンに怒り、チンチンに湯だった頭でケンケン怒鳴り散らした挙句、「お前じゃ話にならん」という紋切型のセリフでもって俺にレッドカードを突きつけた。
選手交代……ってか、監督がピッチに立ってしまうハメに。
「大変申し訳ございません……」
と、ペコペコ頭を下げながら電話を引き継いだ課長。
裸でそんなのってものすごい罰ゲームに見える。
ああ、罪悪感。
申し訳ない気持ち、ふがいなさで一杯だ。
たとえ部下であっても、やっぱり年上で男なら、そういう風に思ってしまうものなんだよな。
俺のほうが守る立場なのにってさ。
しかし、課長はそんなことは露とも思っていないらしい。
全てを自分の責任として受け止め、俺に恨み事や嫌味を言うこともなく、長い電話のあとで用件だけを俺に伝えた。
「部下君、これからいっしょに専務さんの所に謝りに行くわよ」
まったく、さすがは自ら裸でいることを望んだ女だ。
守って貰う気なんてさらさらないじゃないか。