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今宵ワタシの胸の中で
第1章 卒業の夜に
孝仁の手が仁美に伸びてくる。仁美の頬に手が触れた瞬間、仁美はその手を取って愛しそうに握った。

仁美も孝仁もお互いの気持ちに気づいていた。でも、お互い恋人たちのことを思うと、その気持ちに蓋をするしかなかった。

少しの時間離れた恋人を裏切れなかった…今、近くにいる相手に心奪われてはいけないんだ…

「今日だけ、今日だけ一緒に…」

孝仁が仁美をベッドに寝かせた。孝仁もその横に寝そべる。

孝仁が仁美に腕枕をする。仁美は横を向いて、孝仁のすぐ近くで顔を見つめた。

本当なら、ここでキスをしたかった…でも、仁美は孝仁の唇を指でなぞるだけ。

孝仁はそんな仁美の頭を優しく撫でている。

「孝仁…元気でね。もう彼女と喧嘩しちゃダメだよ。」

「仁美も元気で。仁美は彼氏と結婚するんだろ?」

仁美がうん。と頷く。そんな会話をしても抱きしめずにはいられなかった。

好きな人を抱きしめている孝仁は男として耐えることができずに男の証を硬くしていた。

仁美はそれに気づいて、ちょっとだけ触ってみる。

仁美もまた好きな人に抱きしめているだけで、あそこが濡れていた。

孝仁は何も言わずにズボンの上からあそこを触る。

本当なら、このままセックスしたい…二人でお互いを触りながらもそれ以上求めなかった。

孝仁の彼女の浮気があって、二人は語り合っていたから。
この一線は越えちゃいけない…キスやセックスはダメ。

今までの二人の関係を大事にしたいから。お互いを本当に想い合ってるから。

その夜、仁美と孝仁は抱き合って寝た。

キスもセックスもしなかった。ただお互いの胸元にすぐ消えてしまいそうな小さな秘密の痕を残しただけ。

《fin》
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