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緊縛の夜
第2章 解放
「祐君は昔と変わってないね」

「そう見える?由里だって変ってないよ」

彼はそう言ったけれど、そこにはどこかぎこちなさというか私に気を使っているような気がした。

それは私の思い違いかもしれないし、私の心の中に昨日のことが離れないからかもしれない。

私は彼と話している間ですら、昨日全裸でベッドに縛りつけられ、何人もの男に犯されたことが蘇ってくるのだ。

私はどうしようもない悲しみに襲われ、自虐的な感情を感じていた。

それでも私のクリトリスがそのことを思い出すたび敏感に反応していた。

彼の車は徐々に都会へと向かっていた。

さっきとは違って周りには大きな建物が見え始めた。

私はようやく帰れたことを安心し、そこで失った大きなもののことを考えずにはいられなかった。

いっそ自暴自棄になってやろうと思った。

私たちはしばらくの間無言で、彼はただ車を運転していた。

彼の運転の仕方はどこか優しさがあった。

私はそんな彼のさりげない優しさのようなものに惹かれていた。

それは彼と出会ったころから変わっていなかった。
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