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神様とのお約束
第1章 赤ちゃん

ママは怖かったんだ。
小さく産まれたゆいとくんに会うまで。

二時間後にママは車椅子に乗って、パパに押して貰って、ゆいとくんと対面した。

保育器でいろんな管に繋がれたゆいとくんを見て、ママはショックを受けたんだ。

先生から今の状態や今後の事の説明を受けたけど、上の空だった。


「男の子ですよ」と聞いてパパは大喜びした。

「俺に似てるね。
手足の指が長いとこ。
顔も俺似だね」


そう言ってくれたパパの言葉は嬉しかったけど、ママはゆいとくんの姿を見て悲しくなってしまったんだ。

不憫って難しい言葉だね。

ママはそう思ってしまったんだ。

ちゃんと生んであげたらこんな事にはならなかった。

「ごめんね。ごめんね」

を繰り返していた。


ボクは神様に聞いた。

「不憫ってなんですか?」ってね。

「生まれた子供を可愛くない親なんて居ない。
居たらダメなんだ。
不憫という言葉は哀れむ意味だが…
可愛いという気持ちの現れでもある。
可愛いからこそ哀れみの心が生まれる。
言葉は難しい。
でも、裏側にこそ本心がある」

神様も難しいことを言うんだ。
でも、何となく分かった。

ママはゆいとくんが可愛い。
可愛いけど、今すぐ抱いてあげられないのが辛いんだ。


パパが帰った後もママは病室で泣いていたんだ。
ボクはずっと見ていた。
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