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第1章 赤ちゃん

　フローリングは危ないから温かい絨毯をひいた。
エアコンのお掃除もした。
ゆいとくんをお風呂に入れる道具も揃えた。
ゆいとくんに着せたいお洋服はパパが張り切って選んでいたよ。
ベビーベッドもパパが組み立てた。
天気のいい日はママをなるべく外に連れ出して、銀杏並木を見たり、買物をしたり、近くの美味しいラーメン屋さんにも連れて行った。
ママはゆいとくんが生まれるまで悪阻があって、匂いがある場所を避けてきたからね。
パパもそれに付き合って、美味しいもの我慢していたんだ。
だから、ゆいとくんが帰ってくるまで気分転換を兼ねたデートをしていたんだよ。

でもね、どんな景色を見ても、『ゆいとが居たら楽しいだろうな。
ゆいとに見せてあげたい。ゆいとにもそのうち食べさせてやろうな』

　二人の会話はいつもゆいとくんでいっぱいだった。