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My blue sky prince...♡
第2章 別れ
「…ひっく、ぐす」
ポロポロと涙を零しながら、来た道をゆっくり歩いて戻る。
壊れて外れた草履の鼻緒が、擦り剥けた肌に当たって痛い。
…振られ、ちゃった。
心の中で呟き、立ち止まる。
…あぁ。
漸く自覚し、自嘲な笑みが溢れた。
あたし、振られたのか。
歩きながら、振られた事を自覚したくなくて、篤(あつし)…失恋相手の悪い所ばかり思い出していた。
でも。
今まで付き合ってる間、気遣ってくれてたのか、ただ言わなかっただけなのか分からないけど、あたしの悪い所なんて一度も言ってくれた事なかった。
それが…
「結(ゆい)…もう限界だ、別れて」
「もうお前に付き合ってられない。他にいいやつ見つけて、幸せになって」
「まぁでも一応、楽しかったよ。じゃあな」
ずっと前から、この日に一緒に行こうなって篤が言ってくれてて、浴衣着ていくのは篤には内緒にしてお母さんに浴衣借りて、着付け覚えて、可愛いって言って貰えるように色々工夫して努力してきたのに。
待ち合わせ場所に行くと篤は先に来てて、嬉しくなって駆け寄ったら…
あたしの浴衣に目もくれず、まさかの、別れの言葉。