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My blue sky prince...♡
第2章 別れ
思いきり右手を振り上げて、川に向かって曲線を描かせた。
…何でだろう。
躊躇いは、なかった。
ぽちゃん、と小さく、ほんの小さく音がして、またいつも通りの風景に戻る。
既に星がいくつも見えてる空を見上げる。
…星の王子様、って本なかったっけ。
どんなお話か知らないけど…
そして零れた言葉は、完全に無意識だった。
「…あーあ。空から男の子降って来ないかな。浮気なんかしないであたしだけを愛してくれてさ?ずーっと一緒にいられる、優しくてかっこいい男の子」
そう呟いて、星を見つめる。
…あ、
「流れ星!」
しゅんっ、と細く長い線を描いて消えた、流れ星。
それはまるで、その願い、叶えましたよと言わんばかりのタイミングで…
…あれ、でも。
「お願いした後流れても意味ないじゃん」
そう呟いて、手すりに突っ伏した。
…あ、3回唱えればいいんだっけ。
「男の子降って来い、男の子降って来い、男の子降って来い」
突っ伏したまま呟いて、嘲笑が洩れた。
…有り得ない有り得ない。
絵本やフィクションでも有り得ないでしょ、空から男の子降って来るなんて。
「有り得なー…、」
こつん。
不意に、後ろで小さな音がした。
でもその音は、その時あたしがたまたま気付いただけの、日常に溢れる小さな小さな音。
特に気にもせず、顔を上げる。
何だろう…指輪捨てたら、すっきりしたな。
…かーえろ。
「有り得なーいっ」
言いつつ川を背に振り返った。
すると、その先には…