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第1章 二つの心

立体駐車場の屋上に上がります。

社長の車は既にありました。

その近くの空いた駐車スペースに車を
停めましたが直ぐには降りる事が
できませんでした。

すると主人が
「とにかく相手の男と話がある。
お前が取り次いでくれ」

仕方がないので車を降りた私です。

続いて主人も降りて来ました。

車に近づきます。

社長は少し強張った顔をして車から
降りてきて一礼し主人に名刺を
差し出しました。

すると主人は
「いつも、妻がお世話になっています」

対して社長も
「いえいえ、こちらこそ
お世話になりっぱなしです」