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第35章 祈り②

「えっ……そんなっ」



　ほなみは思わず自分の顔を触っておののくが、祐樹が突然身体を起こし、ほなみの両の手首を掴み、悪戯な輝きで一杯の瞳を向けてきた。



「な――んてね、ウッソだよ――っ」

「……!」

「ほなみは何をしても可愛いに決まってるじゃん」

「に……西く」


　
　祐樹は真顔になると、ほなみを再びソファに沈めた。

　ほなみは彼にどんな顔をして良いのか分からず戸惑いながらも、彼のキスを受け止めていた。