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らぶあど encore!
第35章 祈り②



 祐樹は彼のそんなやり口にはもう慣れた、とでも言うように苦笑いすると、眠るほなみをそっと抱き上げてベッドへ降ろした。

 毛布をかけてやろうとすると、ほなみの瞼が小刻みに揺れて、ゆっくりと開かれる。

 祐樹はほなみに笑いかけた。



「ごめん、起こしたね」

「西くん……」



 ほなみは二、三回瞬きをすると、祐樹に抱き着いた。



「ほなみ?」

「ごめんね……ごめんなさい……私」



 ほなみの肩が微かに震えている。祐樹は優しく彼女の髪を撫で頬に口付けた。



「うん?どうしたの?奥さん?」

「私、私……さっき……凄く嫌な態度を……」



 祐樹は長い人差し指をほなみの唇にあてて首を振った。



「それはもう全っ然いいから」

「でも……」

「いいんだよ」

「西君」

「こういう時にはね、男の方がぜーんぶ悪いって決まってるの。だからほなみは何にも謝らなくていいの」

「え……でも」



 何か言いたげなほなみの唇を祐樹は素早くキスで塞いだ。



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