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らぶあど encore!
第35章 祈り②
「ほなみ……痩細っちゃうより、太ってくれたほうがいいよ」
恋の詞(ことば)を囁くような甘い声に、ほなみは大いに照れ、頬が熱くなってしまう。
チュッと軽くキスされ、魅惑的なウインクを間近で見て、何も言えずにただ彼を見詰めていたら、祐樹は自分の上唇を舌先でペロリと舐めた。
「お腹一杯にしたら……ほなみも美味しく食べちゃうからね?」
「――っ」
祐樹は真っ赤になるほなみをクスクス笑い、再び胸に抱き寄せた。ほなみはいつも甘い薫りがして、柔らかい――触れるだけで幸せな気持ちになれる――
いつまでも、こうして彼女を抱き締めていたい。そして、腕の中でいつも笑っていて欲しい――
ふと、綾波が洩らした明智史の事が胸の中に過って心がざわつく。
何かが起ころうとしている。いや、もう既にそれは始まっているのだろうか?
待ち受けている物が何であれ、この温もりを離したりしない――守ってみせる――
腕の中のほなみの髪を撫でながら、強く思った。