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らぶあど encore!
第36章 目を醒ますBEAT
「お風呂ありがとうね~!あ――っ!さっぱりしたっ!やっぱりあっついお風呂って心身の疲れを癒してくれるわよね――っ」
濡れ髪にタオルを巻いて男物のパジャマを着たあぐりは上機嫌でリビングにやって来て勝手に冷蔵庫の扉を開けるが、びっしりと並べられたミネラルウォーターに閉口すると、ソファに座る野村を苦々しげに睨んだ。
「ねえっ!いくら独り者の冷蔵庫でもさあ、水だけって!あなた、一体なに食べて生きてるの?」
「……そんなに俺の食生活が心配なら、ご飯作りに来てよ」
野村は魅惑的な眼差しをあぐりに向ける。
あぐりは頬を染めてペットボトルをひとつ取り出すと、一気に流し込んだ。が、噎せてしまい身体をくの字に折って冷蔵庫の扉を叩いた。
「大丈夫?」
「……らいじょうぶ……じゃあない……わよっ……」
「慌てて飲んだりするからだよ」
「そっそれは、貴方が変な事を言うから――!」