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らぶあど encore!
第36章 目を醒ますBEAT
「そんなに変な事言ったかなあ俺?」
野村は涼しい顔で聞いてくるが、あぐりは益々真っ赤になって咳き込みながら彼を指差した。
「へっへんっていうか……照れるのよっ……げほっ……そんな風に言われるとさあっ……ごほっ……やっぱり野村君って全身女ったらし……っ」
「何も指差して言うことないじゃない」
野村は肩を竦めると、ソファから立ち上がりあぐりの方へ近づく。
「ぎゃっ!たっ立った!げほっ!野村がっ!げほっ!立った!ゲホゲホ」
「そりゃ立つよ。ずっとここに座ってたから身体が固まっちゃうしね」
「たっタイム――っ!こっちこないでっゲホゲホっ」
「背中を擦ってあげようとしてるのに、随分な言われようだね」
「ぎゃあっ!だ大丈夫だし!げほっ!もう止まるしっゴホゴホ」
ジリジリ近づく野村からあぐりは逃げるように後ずさり、咄嗟にカウンターに載っていたトレーを盾の様につき出した。