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第36章 目を醒ますBEAT

「お……お風呂……だけはねえ、男と一緒に入るもんじゃないと思ってるのよ!あとはお産もね!男に立ち会って貰うとかは絶対にナシ!っていうのが私の考えなのっ」


「ふーん」


　
　赤い顔でムキになって力説するあぐりを抱き締めながら、野村が背中を撫でている。あぐりは上半身を仰け反らせて「やんっ」と声をあげてしまった。

　野村の目に欲の焔が灯り、あぐりは彼に抱えられてしまった。


「ひえっ……野村くっ」

「俺はただ咳を止めてあげたかっただけなのに、あぐりがいやらしく喘ぐから」

「喘いでないっ!擽ったかっただけ――!」

「まあ、それはどっちでもいいよ」



　野村はじたばた暴れるあぐりを抱いたまま、リビングのソファに倒れこんだ。