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らぶあど encore!
第37章 暴発する想い


 高速経由で車を飛ばすこと一時間半のあいだ、綾波は後部席で神妙な面持ちのカナを時折盗み見た。時折肩を震わせてハンカチを目尻に押し当てる彼女の様子に、喉まで出かかっていた言葉を呑み込み、運転に集中していた。

 亮介の怪我、自分の後任のマネージャーの身元詐称。ほなみの体調不良。

 一度に色んな事が押し寄せ、皆戸惑っている。

 チャンスはチャンス、ピンチはチャンスだ、と祐樹が能天気な事を言っていたような気がするが、ピンチを通り越し、異常事態と言ってもよい。

 景子の美しさには危険な物が潜んでいると、かねてから感じていた綾波だったが、自分まで彼女の魔力に取り憑かれてしまう寸前だったのだろうか?

 料亭で目にした魅惑的な景子の肢体を思い出すが、振り切るようにハンドルを強く握った。

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