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らぶあど encore!
第37章 暴発する想い
ーーあの明智史の存在も不可解だ。オーデイションにエントリーすると言っていたが、果たしてどうなる事か……
「あの、綾波さん」
不意にカナが声を掛けて来て、綾波の考え事は中断された。
ミラーの中の彼女は泣いてるかと思いきや、手鏡で自身の顔をーーどうやら付け睫を重点的にーーチェックしている。
そうか、ハンカチで目を押さえていたのは化粧を気にしていたのか、と綾波は半分呆れ、もう半分は感心していた。
カナは智也の実家へ行くのは初めてらしい。身なりを気にするのは女心かーーと彼女の健気さを好ましく思ったが、カナが険しい声で綾波に詰問を始め、途端に綾波はうんざりするのだった。