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らぶあど encore!
第37章 暴発する想い
カナがほなみにコンプレックスを抱いていることは気づいていた。
皆でにぎやかに過ごしている時も、カナはほなみに複雑な色の瞳を向ける瞬間がある。
思慕と、少しの妬みのような想いが揺らめいている。
彼女がそんな風に思い悩むのを止めたくて、そんな時智也は、彼女のか細い肩を抱き寄せたり、小さな手をそっと握りしめたりする。
すると、カナは驚いて頬をひきつらせながら真っ赤になって見つめてくるのだ。
毎度毎度のその反応が可愛くて、面白くもあった。
だが、それだけではカナの不安を消すことができなかったようだ。
ほなみの時のような失敗はしたくない。大切にしたいから、ゆっくりと育んでいくつもりだった。
そんな慎重さが裏目に出たのかも知れない。
今回のカナの暴走は自分にも責任がある。