この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第5章 glassの鎧
三広がムッとして何かを言いかけたが、亮介はそれを遮る。
「北森さんは、そう思うのかな?」
景子は自分の手と見比べながら薄紫がベースの小さな蝶の飾りが付いた付け爪を熱心に見ている。
「そうよ。離婚した人間は結婚に失敗した人間でしょ。
まして離婚の原因が不倫なんて、再婚したって上手く行く可能性は低いわ」
「ふ――ん、ひょっとして~それは北森さんの経験から来た持論だったりして――?」
亮介はわざとおどけて言ってみせた。
景子の眼鏡の中が一瞬だけ揺れた様に見えたが、たちまち強い光を宿して亮介を睨む。
「その質問、セクハラね」
「え――!?」
「女の過去を聞き出そうとするなんて質の悪いセクシャル・ハラスメントだって言ってるのよ」
「い、いや……俺はそんなつもりじゃっ」
亮介と三広は身を寄せあい後退り、野村の助け船を期待してチラリと視線を送ったが、奴は帽子を試着したまま立って居眠りをしている。
「北森さんは、そう思うのかな?」
景子は自分の手と見比べながら薄紫がベースの小さな蝶の飾りが付いた付け爪を熱心に見ている。
「そうよ。離婚した人間は結婚に失敗した人間でしょ。
まして離婚の原因が不倫なんて、再婚したって上手く行く可能性は低いわ」
「ふ――ん、ひょっとして~それは北森さんの経験から来た持論だったりして――?」
亮介はわざとおどけて言ってみせた。
景子の眼鏡の中が一瞬だけ揺れた様に見えたが、たちまち強い光を宿して亮介を睨む。
「その質問、セクハラね」
「え――!?」
「女の過去を聞き出そうとするなんて質の悪いセクシャル・ハラスメントだって言ってるのよ」
「い、いや……俺はそんなつもりじゃっ」
亮介と三広は身を寄せあい後退り、野村の助け船を期待してチラリと視線を送ったが、奴は帽子を試着したまま立って居眠りをしている。