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らぶあど encore!
第5章 glassの鎧
「え――っと……」


亮介はまだ足にしがみつく景子に頭を掻きながら言う。


「とりあえず……離してもらっていいかな?
何処にも行かないから」


景子の大きな目が一瞬揺れた。


「ね?」


亮介は子供に言い聞かせる様に優しく笑った。


「……何処にも行かない?」


「うんうん」


景子はやっと手を離して、床にペタンと放心して座る。



亮介もしゃがむと、景子の涙をティッシュでそっと拭き取りぐしゃぐしゃになった髪をほどいて手で鋤いて綺麗にしてやった。


何も考えていなかった。
目の前の景子がまるで手のかかる小さな女の子みたいに見えたからだ。


妹の小さな頃を思い出す。
自分の後をいつも付いて廻っていた。

小学校に上がるまでは母親の代わりに自分が髪をとかしたり結んであげたり、服を着せてあげたりしていたのだ。


でもあいつも思春期になったら生意気になって俺の事をパシリ扱いしたよな……



ふとそんな思い出が頭に甦る。
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