この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第5章 glassの鎧
部屋に戻ると、三広はベッドから落ちて床で大の字で寝ていた。
「……全く、ここにも子供が居るな」
亮介は三広にタオルケットをかけてやると、ベッドに上がり横になるが、先程までの眠気はどこかへ飛んで行ってしまった様に目が冴える。
景子の涙でぐしゃぐしゃの顔、安心しきった無防備な寝顔、しがみついてきた小さな手を思い出すと、正体不明の痛みに苛まれた。
「……なんか俺、悪いもん食ったっけ?
アイスのせいかな……」
腹の辺りをさするが、どうやらその痛みは胸らしい。
(何故に胸が痛いのか……
ヤバイな。
病院に行った方がいいんだろうか)
ぼんやり考えていたら、ようやく瞼が落ちてくる。
『……洋……平……』
景子の声が聴こえたような気がした。
(……誰の事なんだろう……)
考えに頭を巡らそうとする前に、亮介も眠りに落ちた。