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らぶあど encore!
第6章 ライヴ=人生?
―――――――――――
『君は旋律(恋)を撒いた
君は旋律(恋)を奏でた
渇いた砂に 染み込むように
もっと もっと欲しいって
泣いているようだよ』
会場入りして三時間。
ステージでメンバーは今夜のセットリストとMCを確認しながらリハーサルをすすめていた。
ライヴ本編の最後に予定している
"恋をさらって"
を演奏している最中に、ほなみのスマホが振動した。
ロビーに出てから電話に出る。
「もしもし……」
『ほなみさん!カナで――す』
「カナちゃん……!久し振りだね、どうしたの?」
『今日は旦那様の名古屋ライヴ、おめでとうございます!
最近また大活躍ですよね!』
「あ……ありがとう……」
『あれえ?なんか元気ないですね?
ダメですよ?赤ちゃんにもママの気持ちが伝わるんですから……』
「うん……そうだよね」
ほなみは、昨夜と今朝、あれだけ抱き合い確かめ合ったのに、景子の振る舞いや言動ひとつで忽(たちま)ち不安の底に突き落とされてしまい、会場までのタクシーの中で祐樹と言い合いになってしまったのだった。