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らぶあど encore!
第6章 ライヴ=人生?
その時、カナが戻って来て扉を開けると、二人が目に入り、反射的に閉めてしまった。
智也が、ほなみを大事そうに抱き締めているのを目の当たりにして、カナの胸は耐えがたく痛む。
扉に手をかけたまま佇んで居たが、足に力が入らなくなり座り込んでしまう。
小さな手の甲に、暖かい涙が落ちた。
「……こ、こんなのわかってたし」
舌を出して、涙を拭うが、また新しい涙が生まれる。
智也と少しずつ近づけていると、自惚れていたのだろうか。
傷付いた彼を、幸せな気持ちに自分が出来たら、と思っていたのが、滑稽にしか思えない。
カナは笑い出していた。
「あは……あははっ……カナ、バッカみたい……」