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らぶあど encore!
第6章 ライヴ=人生?
「ああ――大変!私車に忘れ物……
ほなみさん、ごめんなさいっ!すぐ戻ります」
カナはアタフタと走って行くが転びそうになる。
それを見て智也はクスリと笑った。
ほなみは目尻を指で拭う。
「ふふ……カナちゃん……相変わらずだね」
智也はゆっくり歩み寄り微笑む。
「まあね」
「でも……いつも明るくて羨ましい……」
そこまで言うと、喉の奥から大きな嗚咽が漏れて、我慢していた大粒の涙が溢れた。
「あ、アハハ……
なんか、ホルモンのせいで涙脆くなったみた……」
無理矢理笑顔を作り俯いた顔を上げた瞬間、智也に抱き締められていた。
「……っ……智也」
「バカだな……また泣いてるのか……っ」
智也はいとおしそうに、ほなみの真っ直ぐな髪を撫でた。