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らぶあど encore!
第7章 ライヴ=人生?②
岸の家に近づくのは思いの外簡単だった。
美容院に行き髪型を整えて、リクルートスーツを着て会社へ訪問し、会長の名刺を見せると一発で信用された。
丁度その時会長が居て、応接室で話をする事が出来た。
会長は、細かい事を気にしない人物との噂だったがその通りだった。
景子は一か八か、適当な名前を出して、会長の知り合いの娘のフリをして話をした。
ここでバレて失敗したら、もう自分は史に捨てられてしまう。
死に物狂いだった。
会長はあろうことか、すぐに景子を信用してしまった。
景子は息子の智也を誉めそやし、会長の頬を緩ませた。
すると会長は、
「嫁が……いや、元……だが、ほなみが一緒になった西本君のバンド……」
と、水を向けてきたのだ。
「クレッシェンドですね?息子さんが今、クレッシェンドの会社も経営に力を貸していると……」
「そうなんだが……
新しいマネージャーを探しているらしいんだよ……誰か、心当たりがあればと思うんだがね……」
――来た!
景子はここぞとばかりに言った。
「私に、お任せ下さい」