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らぶあど encore!
第7章 ライヴ=人生?②
景子は、史に捨てられたくない一心もあるが、何より息子を取り戻したかった。
自分で仕事をしてお金を稼いで、息子を養えるだけの力を付けたかった。
マネージャーに採用が決まった時点で岸の会社からは相当な額の支度金が支給され、景子は驚いた。
それだけ、クレッシェンドは重要なビジネスパートナーだという事なのだろう。
景子は実家へ行き、息子の養育費を毎月分入れる代わりに、会わせてくれと頼み込んだ。
両親は最初は良い顔をしなかったが、景子が言う額を聞くと態度を変えたのだ。
だが、両親は景子を信用しきってはいない。
毎月一度だけ息子と会わせる代わりに、必ず金を入れる事、と何度も言われた。
毎月に一度だけ、という条件に心が折れそうにもなったが、景子はグッと耐えた。
史の言う通りに上手く行ってクレッシェンドのメンバーの尻尾を掴めれば、それをネタに揺する事を企んでいた。
"何もなけりゃ、でっち上げればいい"
史の悪魔の囁きが耳に残る。