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らぶあど encore!
第8章 ライヴ=人生?③
――滑らかな額、愛らしい睫毛、桜色の柔らかい頬、愛しい唇、真っ直ぐに揺れる黒い髪……
休憩室で横たわり眠る妻の姿を見つめて、裕樹は自分がほなみの何処を好きなのかを改めて考えていた。
起こさないように、そっと指先で髪に触れるとサラリと滑り甘い薫りが胸を締め付ける。
高く、低くもない優しく耳に残るその声に名前を呼ばれると、苦しい様な泣きたい様な幸福感に包まれてしまう。
ほなみの、何を考えているのか掴めそうで掴めない捉え処の無い微笑みを目にすると、強く抱き締めてこちらを向かせたくなる。
初めて会った時から心に住み着いてしまった、不思議な愛しい女の子。