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第10章 sugar escort

あぐりは、その事を思い出してクスリと笑う。


｢西君の気弱な声にもヤられたけど、まさかあの智也がね～
あんな風に私に頼んでくるなんて……
あいつも丸くなったというか……人間変わったわね！
以前は何考えてるか分かんない青い血が流れてる男だったのに｣


｢青い血って……
アハハ……そんな事ないよ……
智也は、元々優しいよ｣


ほなみは、智也と居た頃には感じなかった彼の思いやりが最近になって分かる様になっていた。


一緒に暮らして居た時には分からず、別れてから気付くとは皮肉だが。


けれど、智也は確かに変わったのかも知れない。

ほなみとの離婚とほぼ同時に社長に就任して、今までにない苦労や経験が彼を変えたのかも知れないし、側に居るカナの影響もあるのだろう。


カナもほなみの側に付いていたいと言い出して、志村のマンションでは、志村、あぐり、ほなみ、カナが一緒に生活をしているのだ。


志村は殆ど部屋に居ないが、あぐりは常に一緒だし、カナは仕事が終われば真っ直ぐに帰ってくる。

毎晩が女子同士のパジャマパーティみたいで、ほなみはその賑やかさを楽しんでいた。