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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
ほなみは、お腹の子供と母体の安静の為に、里帰りならぬ別居婚生活を始めていた。
智也の両親は未だにほなみの事を気にかけていて
『志村プロデューサーも多忙な人なんでしょう?遠慮しないでうちに来なさい。あなたは私達の娘みたいなものなんだから……』
と言ってくれたが、流石にそれはほなみが心苦しくて断った。
祐樹と智也が二人して、あぐりに頭を下げて頼み込んだのだ。
名古屋ライヴが終わった後、祐樹はあぐりに電話をかけて、出産まで、ほなみと暮らしてくれないか、と言う話をしていたのだが、祐樹はいつになく弱気な様子だった。
怖いもの知らずで、天真爛漫な祐樹だが、やはり出産ともなると未知の領域で、あぐりと話している内に怖くなってきたらしい。
『もし……
ほなみが一人で居るときに何かあったら……
俺は……っ』
感極まり、声を詰まらせる祐樹を見て、側で話を聞いていた智也が電話を奪い取り、あぐりに言ったのだ。
『……そういう訳だ。
男がここまで恥を晒して頭を下げてるんだ……
聞いてやってくれ。
俺からも……頼むよ、吉川』