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第10章 sugar escort

今夜は、ライヴハウス

Ｏ－ＥＡＳＴを貸しきって、ごく親しい人達でのパーティなのだ。


志村が言い出しっぺで全てを取り仕切るのだが、本人は直前まで仕事があるらしく、遅れて来るらしい。


クレッシェンドメンバーと、綾波、あぐりとカナ。

智也は既にフランスへ飛んでいるので残念ながら不参加なのだが、志村曰く
『スペシャルゲスト』
を呼んでいるらしい。



｢楽しみねえ～！
そういや私、アルコール久し振り！
……あんたはダメよ飲んじゃ？｣



｢当たり前じゃない……ふふ。
私の分まで沢山飲んでね？｣



ほなみは、鏡に映る自分のピンクの艶やかな唇を見ながら、密かに胸を熱くした。



祐樹と会うのは名古屋のライヴ以来なのだ。


ほんの一週間程会えなかっただけなのに、長い間会えていない様な気がする。


まるで、結婚する前に戻った……いや、祐樹をテレビで偶然見て心を奪われ、焦がれてしまったあの時の自分になってしまった様な気がする。