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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
景子は、人混みの中でしかめ面でスマホを弄っていた。
週末の夕暮れの都心は、行き交う人々の雰囲気が浮かれている様な気がする。
学校帰りの女子高生、会社帰りのOL……
皆、誰かと連れ立って歩きその足取りは軽やかに見える。
一人で居る人も、何か楽しそうに見えてしまうのは気のせいだろうか。
景子は、時として自分以外のこの世の人々が全て自分より幸せで、笑顔で毎日過ごしているのだ、と思ってしまう。
すぐ傍を、三人組の女子高生が通り過ぎる。
「クレッシェのチケット良く取れたよね~!」
「へっへへ~!
私に感謝してよね?
あ~ファンクラ入って良かった~!」
「超楽しみだよね!
三ヶ月後か――!
あ~!もう、これだけでご飯三杯いけちゃう!」
コロコロという笑い声が耳を擽る。
景子は、自分にはあんな学生時代はなかった、と思い出していた。