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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
『奴は来たか?』
景子は整えられたネイルの指先を画面に滑らせた。
『まだよ。
そろそろ来るはずだけど』
『上手く誘惑しろよ?』
『史……あの』
『なんだよ』
『史は、私が他の男と寝ても平気なの?』
返事が来るまでに、少しの間があった。
景子がラインを閉じようとした時、着信が鳴る。
『平気なわけないだろ?
愛してるよ、景子』
景子は、絵文字を見て噴き出すと、返事を返した。
『うん、そうだよね。
史の為だもの、私頑張る。
愛してる』
景子は笑みを溢しながらスマホを暫く眺めていたが、渋谷のハチ公前の人混みは先程よりも凄まじくなりつつあるのに気付き、眉をひそめた。
(もう……
私、人混み嫌いだし……
それに、何故あの子、有名人の癖にこんな目立つ場所で待ち合わせしようなんて……)