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らぶあど encore!
第11章 Hearty party
どこまでも優しい愛のバラードは、ほなみだけでなくその場に居た皆の心を甘く打った。
ほなみは両親の事を思い浮かべ、そして祐樹との出会いの不思議を改めて実感して涙し、あぐりとカナは抱き合ってオイオイ泣いている。
祐樹のしなやかな指が最も高い音の鍵盤まで華麗に踊り、最後の一音を響かせる。
しん、としたフロアに、バーテンが拍手を鳴らすと、ほなみ達も手を叩いた。
「いえ――い!
今日は、楽しもうね~皆!」
三広がスティッキを投げ、背中で見事に受け止めた。
「……お次は、激しいロックがご希望ですか?
お嬢さん達?」
野村が激しくリズムを鳴らし、次の瞬間に鮮やかな仕草でベースをグルリと回して見せた。
「キャア――!
スゴイッスゴイッ!
あぐりさんっ!
ほら、今の野村さん見ましたかっ?
めちゃめちゃ素敵でしたね――!
ねえってば――!」
カナは興奮してあぐりの肩を揺する。
「ちょ……カナちんてば……わか……わがっでる……てば……」
まだ涙腺が緩んでいるあぐりは、ハンカチで目元を拭いながらカナに揺すられていた。