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らぶあど encore!
第11章 Hearty party
耳元に祐樹の吐息をこそばゆく感じながら、ほなみは初めて身体を合わせたあの冬の雷の夜の事を思い出していた。
偶然、テレビで歌う祐樹の姿を見て心を奪われて――
ライヴの後、祐樹に唇を奪われ、でも酷い言葉もぶつけられて深く傷付き、もう忘れよう、元々遠い世界の人だったのだと自分の気持ちに蓋をしようとした。
けれど、二人は運命の悪戯で引き合わされ、あの夜、身体を重ね合った。
ほなみは、受け入れる事も拒否する事も出来ず、ただ、嵐の様に自分を求める祐樹のなすがままになり、繋がって、そして心も身体もこの恋の虜になってしまった。
でも、自分には智也という夫が居る。
祐樹に出会って恋して結ばれたとしても、その事実を変えられる訳ではない。
だから決して好きと言ってはいけない……と、ほなみはあの夜、祐樹に気持ちを伝えずにただ涙を流したのだ。