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らぶあど encore!
第2章 じれったい距離
「東野さん?どうしたんだ!」
「あああ社長――!
カナちゃんが、カナちゃんが」
「手が、手が――っ」
芽以と伊藤が泣き喚くのを智也は一瞥し、カナの方へ駆け寄り手の惨状を見て眉をしかめると、ネクタイをするりと外し、カナの指に手早く巻いて止血した。
「きゃああ……智也社長……」
「おお……カッコいい……社長……」
芽以と伊藤君は智也の仕草に見とれ目をハートにしている。
カナも目の前で真剣な表情で処置をする智也に目を奪われていたが、電話の保留ボタンの点滅を見てハッと我にかえった。
「し、社長!お電話です」
智也はカナの手を握りながらもう片手で素早く電話を取る。
「もしもし。悪いが今手を離せないんだ……なに?……ああ、後で連絡する」
それだけ早口で話すと切ってしまい、カナの手を引っ張って歩き始めた。
「きゃあ!社長がカナを連れ去るわ!」
「おお――!連れ去る社長もカッコいい……!」
芽以と伊藤のバカップルは二人が出ていくのをワクワクして見守った。
「あああ社長――!
カナちゃんが、カナちゃんが」
「手が、手が――っ」
芽以と伊藤が泣き喚くのを智也は一瞥し、カナの方へ駆け寄り手の惨状を見て眉をしかめると、ネクタイをするりと外し、カナの指に手早く巻いて止血した。
「きゃああ……智也社長……」
「おお……カッコいい……社長……」
芽以と伊藤君は智也の仕草に見とれ目をハートにしている。
カナも目の前で真剣な表情で処置をする智也に目を奪われていたが、電話の保留ボタンの点滅を見てハッと我にかえった。
「し、社長!お電話です」
智也はカナの手を握りながらもう片手で素早く電話を取る。
「もしもし。悪いが今手を離せないんだ……なに?……ああ、後で連絡する」
それだけ早口で話すと切ってしまい、カナの手を引っ張って歩き始めた。
「きゃあ!社長がカナを連れ去るわ!」
「おお――!連れ去る社長もカッコいい……!」
芽以と伊藤のバカップルは二人が出ていくのをワクワクして見守った。