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らぶあど encore!
第13章 Hearty party③
景子は今、ほなみへの嫉妬や苛立ちも、史から言われた事も、一切頭の中から消し飛んでいた。
亮介の唇や指はどこまでも優しく、そして情熱的に景子の髪や肌に触れる。
その感触に恍惚とし身を任せて居たが、唐突に洋平の笑顔が脳裏を掠めた。
(――洋ちゃん……)
亮介が触れて来るその仕草や優しい眼差しが、かつて景子が洋平を胸に抱きいとおしんだ日々を思い起こさせた。
何故なのか分からないが、両親から優しい言葉を掛けて貰った事も抱き締められた記憶も無い自分。
ささくれた心を持て余したまま、同級生から疎まれ嫌われ遠巻きにされていた昔――
史に出会い、愛されたと思っていたが、史は自分の都合の良い時のみ優しいだけなのではないだろうか?