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らぶあど encore!
第14章 それぞれの、朝 ①




――ママ……
ママ、ママってば~



微睡みの中、小さな紅葉の様な手が頬をつつく。



景子がゆっくりと瞼を開くと、スタンドの淡い灯りに照らされた我が子の少し不満げに頬を膨らませた顔が直ぐ側にある。



ベッドの上で洋平を寝かし付けながら絵本を読んで居たのだが、景子の方が先に眠くなってしまったのだ。



本を胸の上に置いたままで、景子は洋平に笑いかける。



――ごめんね……
洋ちゃん……
また、寝ちゃった



――も~ママったら、いつも先に寝ちゃうね?



――あはは……
本当だねぇ……
じゃあ……続き読むよ?
何処からだっけ?



洋平は、景子の手から絵本を奪い取り得意気に丸く柔らかい頬を綻ばせる。


――ボクが、ママに読んであげる!
……ボクも、ご本を読める様になったんだよ!



景子は、可愛い小さな王子様の頭をそっと撫でた。



――うわあ、凄いなあ、洋ちゃんは毎日色んな事が出来る様になるね……



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