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らぶあど encore!
第14章 それぞれの、朝 ①




真摯な告白が心の奥の脆い場所に沁みて、痛みを伴う程に胸が鳴り同時に堪らなく高揚する。


景子は小さく頷いていた。


言葉に出したら、多分とんでもない事を口走ってしまうから――



「……さて!
俺、本当に頑張んなきゃな――っ!へへっ!」


ご褒美を貰った時の、洋平の輝く屈託の無い顔と、亮介が重なり、無意識に頬にまた涙が伝っていた。



「わっ……
景子ちゃ……
あっ!
マジで足、腫れてるよ!
今から病院行こう、な?」


亮介は、目の色を変えて景子をベッドへ降ろすと、アタフタと出掛ける支度を始めた。



そんな彼を、景子は泣きながら笑って見つめた。


何故、今なのだろうか。
亮介と出会ったのが。

貴方に、もっと早くに――
史と会う前だったら……
そうしたら私は――




いわゆる『たられば』などという事を考えたりするのは不毛なセンチメンタルだ、と嫌悪していた景子だったが、今胸に渦巻くのは期待とも後悔ともつかぬ不条理な感情だった。




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