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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆
「ほら!景子ちゃん、おぶさって!」
沢山の人が行き交う総合病院の待ち合いで、亮介はしゃがみ景子を振り返る。
「もうっ!
止めてよ恥ずかしい……
大丈夫だってば!」
景子は、紅くなり亮介の横を通り過ぎようとするが、やはり痛むのか顔をしかめ、立ち止まると壁に手を突いた。
「ほら、無理しない方がいいよ!」
亮介は景子をおぶさろうと、またしゃがむが、目立つ彼のその振る舞いに周囲から好奇の目を向けられている。
景子が止めて、と言ったにせよ彼は聞かないに違いない。
諦めて、彼の腕に掴まり寄り掛かる。
「おんぶはいいから……
腕を貸してくれる?」
「もちのロンだよ!」
亮介は眩しい程の笑顔で景子を伴いゆっくり歩き出す。