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らぶあど encore!
第17章 sweet time



「西君……」



ほなみは甘えて彼の胸に鼻先を擦り付ける。


祐樹は、そんな彼女を包み込みながら、またベッドへ沈めてしまおうかと頭を過るが、全く別のプランが思い浮かび、ほなみの頭をグリグリ撫でて声高く叫んだ。



「よしっ!
今日は、久々にデートしよう!」



「――え?」



ベッドでの甘い時間がまだ続くと予想していたほなみは、一瞬戸惑いの色を目に浮かべたが、それは直ぐにキラキラ喜びに輝く。



デート、という響きは、何故こんなに心を甘酸っぱく、そして空を翔べるかと思う程に身体を浮き立たせるのだろう。



ほなみは祐樹の手を握り、声を弾ませた。




「うん……!
今日は、西君と、デートする!」



「じゃあ、支度しようね?」


祐樹は、妻の素直な反応が嬉しくて動作も早くなる。


ベッドから、ひらり、と飛び降りるとクローゼットを開けて、ほなみの服を物色し始めた。



「う~ん……
ほなみ、今日はこれ着なよ!」



パッパッとした仕草でワンピースを勝手に選び、下着までも引っ張り出してベッドの上に並べると、祐樹は自分の跳ねた髪を直し始めた。



「ほら、ボサッとしてないで――!
早くして!
どっちが先に出来るか競争!」



ほなみは目を丸くして慌てながら下着に腕を通す。


「――負けた方が、勝った方の言う事を聞くって事で! 」



「え、ええ――っ?
なにそれ――!」



無茶苦茶を言う祐樹に笑いながら、ほなみは白い可憐なワンピースに袖を通した。





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