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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
ほなみと祐樹の、ほのぼのとした雰囲気が、周囲の光景と解け合っていたのか、二人の時間を邪魔してはいけない、という配慮を人々がしてくれているのかは分からない。
が、ほなみはこうして自然に祐樹と街を歩ける事が嬉しかった。
祐樹と初めて出会ったのは、夜のライヴハウスcallingの楽屋だった事を思い出す。
(あの時には、まさかこんな風に西君と夫婦になって、昼間一緒に出掛けたりするようになるなんて思わなかったな……)
ライヴ後に楽屋を尋ねたほなみに、紳士的に振る舞っていた筈の祐樹が豹変し、いきなり唇を奪って来たのだった。
戸惑うほなみに意地悪を言う祐樹は、あの時本当に憎たらしく見えた。
「……ほ~な~み?
しかめっ面して、どうしたの?
ひょっとして……産まれそうとか?」
ほなみは入ったカフェでパンケーキにフォークを突き立てたままで、出会いのあの夜に脳内がトリップしていた。