この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
ほなみは、向かい合わせに座る祐樹に、カフェの店員や、周りの女性客が時折熱い視線を送っているのを察知していた。
有名バンドのフロントマンなのだから、こうして注目を浴びるのは当然なのだが、今のほなみは、それが堪らなく腹立たしく思えていた。
理性では分かっている。
自分は、人気ミュージシャンと結婚したのだ。
ファンに嫉妬していたら、キリがない。
彼は、いつも沢山抱き締めてくれて、一杯の愛の言葉をくれる。
悠然と構えていれば良いのだ。
なのに、彼とのあの出会いの夜の事を思い出した途端、負の感情のスイッチが入ってしまったらしい。
ほなみは、今すぐ立ち上がって店中の、自分以外の女性達へ怒鳴り付けたい衝動に駆られた。
(――西君を、そんな目で見ないで!
彼は、私だけの物なの!)
そう叫びたい。