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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
祐樹は、目の前で妻が正体不明の怒りに燃えているのをどうやって収めようかと思案しながら珈琲カップに山の様に盛られたクリームをスプーンでつつき、一口含み唇を舐めた。
そんな何気無い仕草一つとっても、彼は女性に溜め息を吐かせてしまうのだ。
ほなみは彼の形の良い唇が白いクリームを舌先で舐めるのを、怒りを忘れて見惚れてしまう。
血統書付きの品の良い猫みたい――
と、ほなみは思う。
この人が、自分の夫でお腹の子の父親だなんて未だに信じられないと思う事がある。
ほなみは、祐樹が赤ん坊をあやす姿や子供の手を引いて歩く姿を想像してみる 。
祐樹は、カップを口に含みほなみの視線を受け止めて首を傾げて笑う。
「……また、そんなに熱く見て、惚れた?」
ほなみは紅くなり、パンケーキを頬張り無言でいた。