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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
ほなみが足を止めたのは、下腹部の鈍痛だけのせいではなかった。
公園の前を通り掛かった時耳に入った不思議な声が立ち止まらせたのだ。
アコースティックギターを手に、明るい髪色の男性が淡々と歌っている。
ベンチの前に立ち歌う彼の前にギターケースが置かれているが、その中に通行人が時折小銭を投げ入れていく。
男性は時折目を瞑り歌の世界に酔いしれているのか首を振ったりするが、殆ど動く事無く、静かに歌っていた。
女性と間違えられそうな高い抜ける様な声だが、れっきとした男性だ。
芸能人の様に華やかなその容姿も人目を惹くが、何より目立つのはその、一度耳にしたら忘れる事の出来ない程個性的な声だろう。
男性にしては高い声だが、決して耳障りな印象ではなく、つい聞き入ってしまう。