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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
「くそっ……」
祐樹は、突然前を横切ったりする通行人に阻まれ、なかなかほなみとの距離を詰められずに苛立つ。
"女の子が突然怒り出したり、泣いたりしたら、ビックリするでしょうけど、貴方が怒ったら駄目よ?
何か訳があって泣いたり怒るんだから、それを聞いてあげなくちゃね?
話を聞いてくれるだけで、女の子の御機嫌が治る事もあるのよ?"
不意に、昔母の菊野に言われた言葉が頭の中に蘇り、思わず苦笑する。
(――母さん、女心は難しすぎるよ……)
ほなみには、全力で愛を伝えて来たつもりでいた。
だが、何処かで自分は見当違いな事をしているのかも知れない。
祐樹は、小さくなっていくほなみの姿を必死に追う。
普通の身体では無いのに、連れ回して良かったのだろうか、という心配が祐樹の中に過った時、ほなみが突然立ち止まった。